人権問題の研究集会2日目

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30日の分科会 研究集会2日目は、分科会「『部落差別』『差別意識』は根深いか」に参加しました。

 分科会では大学教授(2名)、フリーライター、人権推進運動に携わっている方の4名から報告がありました。

 大学教授からは、報道では”差別ではないと思われる事象を「差別」と扱う”事例がある、水平社時代は“部落住民に実態的害悪(実害)をもたらすもの”が「部落差別」であったが、いまは観念的差別(心理的差別や内心のあり方)の議論が横行している。それは”差別”が存在し続けなければ存在意義を見出せない運動団体によるものではないかとの指摘がありました。

 もう一名の大学教授からは「啓発を中心とする人権擁護施策は一面的なものにとどまる」「効果が無い」と、懲役受刑者の中の高齢者、知的障害者を例に報告されました。
 平成元年からの統計で概ね6倍まで増加した高齢受刑者(65歳以上)については、万引きなどの軽微な犯罪が多いが、背景には生活苦や家族・社会から孤立した高齢者を取り巻く現実がある。年金や最低生活保障の充実が必要ではないかと指摘。
 1960年代から現在まで20%~30%を推移している知的障害のある方(IQ69以下)については、比較的軽微な犯罪が多いが、刑期終了後も軽い窃盗(万引)を繰り返し、コミュニケーション不足から適切な自己弁護や謝罪ができず、検察官や裁判官の心証を悪くして、常習犯として繰り返し入所している。しかし、人権啓発プランでは「啓発」を強調するが、基本的な福祉サービスと最低生活保障には触れていない、との指摘がありました。

 フリーライターの方からは京都市の同和行政の変化が紹介されました。きっかけは2006年に市職員が覚せい剤所持によって逮捕された事件。この事件をきっかけに変化、現在では「特別でない、普通の」対応を行っている。
 差別落書きは「消せばいい」、酔っ払いによる差別発言は「事件として報告の必要ない」など、市民にとって普通の対応を行っている。何かあると"行政の責任”という呪縛から京都市は解き放たれた、などの報告がありました。

 地域で人権推進運動に携わる方からは、若い方3名との座談会を開催し、その内容が報告されました。「人権・部落問題と聞いてもピンとこない」、「身内が結婚差別を受けた」、「特別な啓発はいらない」、「自分が意識しなければ周りも気にしない」などの意見をそのまま報告されました。そして共通していたのは「今は貧困の格差、就職難など本当に生活していく、生きていくことに危機感を感じています」とのことでした。

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